古くは西国街道とも呼ばれた山陽道屈指の宿場町。今では酒都とも呼ばれる名醸地西条。その中ほどにふく政はあります。
ふぐを食べる歴史は古く、とりわけその猛毒を持つという性質ゆえに特異な変遷と発達を遂げてまいりました。
太閤秀吉によって禁令が出されたり、伊藤博文公によって解禁が促されたなどというエピソードも広く知られていることでしょう。
さて、ふく政ではお客様にふぐ料理を美味しく快適にお召し上がりいただけるために常に留意していることがあります。
料理の味や盛り付け、構成、さらにはお客様への接し方が、「日本の伝統に反してはいないか。」ということと「世界のスタンダードに反してはいないか。」ということの一見相反するような問いかけです。
それは「日本のふぐ料理がやがて世界の美食をリードする一角に必ずやなりうる。」という命題に対する日々のアプローチであるのです。
長く厳しい時の流れに耐えた技術と知見、そして確かな経験をもとにして、ふぐという素材を真に料理し切り、世界へ向けたメッセージ性のあるふぐ料理を作り続けるために精進して参りたいと思っております。
それゆえの頑なさをお赦しいただき、尚一層のご愛顧を賜りますよう平に伏してお願い申し上げます。
店主敬白